教育・研修 2023/08/07

仕事の学びが趣味に ~接客スタッフの甲州ワイン研修体験記~

浅田で働くことによって身に付くのは、接客やおもてなしのスキルだけではありません。日本料理や食材の知識、お料理を彩る器や味を引き立てるお酒などの知識も、自然と身に付いていく環境があります。学びをさらに極めて接客へと活かしていくために、お料理に添える水引づくりを趣味にしているスタッフや、利き酒師やソムリエなどの資格を取得しているスタッフも少なくありません。

今回は、仕事で学んだワインの奥深さをプライベートでも追求している、接客スタッフYさんをご紹介します。

Yさんは、趣味の一環として浅田で取り揃えている甲州ワイン「GRACE WINE(グレイスワイン)」のオープンカレッジに参加。実際に体験してきたことを自主的にレポートとしてまとめ、スタッフにその学びを共有してくれました。
GRACE WINEは、1923年に創業し、今年で100周年を迎えたワイナリーです。権威ある英国のワインコンテストでも評価され、世界的にも認められています。
南アルプスの山々を望める山梨県北杜市にある葡萄畑での体験について、レポートの中から一部をご紹介したいと思います。

南アルプスが望める葡萄畑で見たものとは。

私が訪れた葡萄畑で栽培されていたのは、白ワイン用の「甲州」「シャルドネ」「ソーヴィニヨンブラン」、赤ワイン用の「メルロ」「カベルネソーヴィニヨン」「カベルネフラン」「プティヴェルド」という品種です。
たくさんの葡萄の木が並ぶ畑は、標高700m超の場所にあります。粘土火山灰の土壌が広がる敷地は南アルプスの山々が雨雲を遮るため、日本一雨量が少なく、日本一日照時間が長いという特徴があるそうです。寒暖差のある環境が骨格のある酸と凝縮された果実味との類まれなバランスを生み出しており、ワインに最適な葡萄を育んでいます。
また畝づくりにおいては、富士山側から吹き抜ける南風を活かして風通しを良くすることで、湿気を飛ばし病害虫を防いでいるそうです。

美味しいワインを世界に届け続けるために。

自然の力によって生み出されたグレイスワインは、今後有機JAS認証を取得する予定とのこと。
オーガニックワインは、病害虫によって葡萄の出来が大きく左右される難しさがあるのですが、土地の特徴を熟知し、上手に活かしながら甲州葡萄の高い品質を守り続けていることがよく理解できました。
果実の凝縮度を上げる工夫、虫害を防ぐ工夫のほか、収穫についても果実の状態がベストな夜間に収穫し、傷つけないよう大切に手摘みを行っているそうです。
美味しいワインを世に送り出すための努力や、生産者の皆さまの熱い想いを知ることができ、貴重な経験となりました。

経験やストーリーを、お客様と共有していきたい。

日々自然と向き合い、たくさんの愛情と手間をかけ、世界の“心を揺さぶる1本”を生み出す真摯な取り組みに、大きな刺激を受けました。このようなワインを、浅田の大切なお客様にご提供できることを嬉しく思います。
今回のワイン研修で素晴らしいものづくりの一部を垣間見る機会に恵まれ、今後はこの学びや経験を接客にも活かしていきたいと考えています。ワインの背景にある様々なストーリーをお客様と共有しながら、美味しいひとしずくを分かち合える瞬間がとても楽しみです。