蟹・鰤・鱈
睦月から如月へ
昨年11月、カニの解禁と同じころ兼六園の古木、銘木を重い雪から守るための「雪吊り」作業が始まりました、とお伝えしました。今年の数十年ぶりの大雪は丈夫な雪吊りの縄も傷めるほどの厳しい状態であると伝わって来ています。一生懸命 縄は自分の使命を果たすべく重い雪が枝を傷めない様に頑張っていますがその縄自体がプツンと切れてしまうとか。あらためてその寒さと風の強さに自然の厳しさを認識してしまいます。
屋根の大きさが百平米(約33坪)の建物には積雪1メートルで実に10トンの重量が掛かるのが北陸の重い雪の特徴です。殆ど水と同じ状態で計算するのが世界で一番重い雪と言われる北陸の雪。昭和38年の豪雪はビルの陸屋根も崩壊させるほどの重量がかかりました。 一般の民家だけではなくビルも屋上から雪を下ろさねばならないのです。問題は各家庭、や建物から下ろした雪をどう処分するか、これが大問題です。次号でお知らせしましょう。
今月は食材から離れて北陸、金沢の雪がいかに厳しいものであるかについてご案内しました。今日も浅田の各店には厳寒の新鮮な味覚が届いております。お気軽にお問い合わせください。
氷見寒鰤と甘海老
氷見の寒ブリ
富山湾には何故良い魚が沢山集まるのか?
それは背後に良い山、立山が控えているからです。
春、北アルプス立山の雪解け水は比較的短い距離巾の富山平野を下ります。川は黒部川、庄川、常願寺川、小矢部川等の一級河川。ダムの数が比較的少ないこともあり立山山麓の森林が自然に作り上げた培養土、腐葉土を一緒に運んで川は流れます。
水温が低くて栄養に富んだ水は深い湾の作りと相俟って自然に魚たちが喜んで集まる仕組みを創り上げたのです。
森林からのお土産はプランクトンの格好の餌になります。美味しく育ったプランクトンは小魚達の餌になり小魚の味が良いのでその上のランクの魚たちが集まります。このような自然界が作ったサイクルは結果として日本の代表的なブリの集まり場所として大敷網(おおしきあみ)という定置網漁法の一大産地となっています。
浅田各店には今日も活きの良い寒ブリが氷見港から届いています。
鯛・貝
三寒四温、水ぬるむ、ひかん桜、寒椿などなど季語には事欠かないこの時節。料理の世界で季節の変わり目は「名残りの○○」「はしりの□□」と過ぎ去る食材、始まる食材の重なり合う状況を表現します。
「名残りのズワイガニ」は三月一杯浅田で楽しめますし、「はしりのタケノコ」も九州から届きはじめます。
そして日本海からは何と言っても春の魚の代表は「鯛」、そして「貝類」です。鯛は昔から祝い事には欠かせません。色、大きさ、味、そしてあらゆる料理法に対応するのがこの「鯛」の偉いところです。焼いて、刺身で、蒸して、煮てなどなど目的に応じてきちんと形になってくれます。
小鯛を塩焼きにし熱々の身を食べたあと金沢では残った頭や骨に熱湯を注ぎお醤油を好みでかけて即席スープを頂きます。このダシに勝る味はどこにも見当たりません。スープを頂いたあと骨に付着した身は簡単に離せます。文字通り鯛は魚の王様です。浅田で使用する鯛は大振りですからなかなかこのような楽しみ方はできませんが御家庭では簡単にできます。是非一度試してみてください。
鯛、赤貝、ミル貝などなど春の味覚は先ず浅田でお楽しみください。
筍・桜鯛
産卵期の真鯛は鯛特有の赤色が更に赤くなりその時節に突入した事がわかります。その時節には桜が開花するため昔から「桜鯛」と呼ばれています。鯛の魚体の色の変化と桜のシーズンという特徴が重なってこのように素敵なニックネームがついたのです。
また色と季節だけではなくこの時節にはもともと美味しい鯛の味が更に良くなり「桜鯛」としてのステータスは年々評価が向上しています。
鯛は刺身でよし、焼いてよし、蒸してよし、炒めてよし、と魚の王者の風格に相応しくすべての料理領域で活躍します。また恵比寿大黒の絵には欠かせない愛すべきキャラクターとしての「鯛」の知名度の高さは皆様ご存知のとおりです。
このように日頃から見慣れた鯛の存在ですが日本人の心の拠り所とでも言いましょうか特に「絵」の鯛は町の風景の一部に溶け込んで空気のような存在でもあることもうれしい限りです。
初鰹・加賀太胡瓜
五月といえば昔から「初鰹」。いまどきの漁師さんたちは沖合いでの一本釣りが盛んになり、年中鰹の入荷が切れることは無くなりつつあります。しかしやはり旨みが乗ってくるのはやはり昔から「旬」といわれる今頃です。
鰹料理でタタキといえば本場高知の皿鉢料理。わらで火をおこしその火で焼き目を入れポンズで頂くのが高知流です。 浅田では普段鰹はあまり使いませんが、浅田流の召し上がり方はサラダ風。
イキの良い鰹を気持ち薄めに切ります。たっぷりの新鮮野菜の上に鰹を乗せてみぞれポンズで頂きます。何杯でもお替りしてしまいます。栄養豊富、動物蛋白たっぷりで体質改善にも最適です
鱧
古代人が「はも」を捕まえた時どうやって食するべきか、何度も何度も試行錯誤を重ねたことと思います。その労苦は「ナマコ」をどうして食するべきか、大いに悩んだことと同じ次元の課題であっただろうと。
骨きり、湯通しといった料理法が確立されて後、美味なること他に類が無い、という事を発見し、次の悩みは物流システムが無い時代のこと。旬は夏、本当に困ったもんだ、と漁師さんたちの思案投げ首の様子が浮かんできます。
このような古代人の苦労に思いを馳せながら浅田で重厚本格派の「はも」をお楽しみ下さい。この時季ややもすると衰退しがちな食欲を回復させることに力を出す絶好の逸品です。
夏の加賀料理
夏に強いのが加賀野菜。加賀レンコン、五郎島金時芋、加賀太胡瓜(かがふときゅうり)、打木赤皮甘栗かぼちゃ(うつきあかがわあまぐり)。どれも真夏が旬です。
加賀レンコンは前田家五代藩主綱紀公のころ城内で栽培されていました。
その後改良されて薬用目的から食用目的の美味なレンコンへと発展します。
五郎島芋は昭和初期、薩摩から先人が種芋を導入し改良を重ね今や焼き芋といえばこの金時芋の独壇場です。
太胡瓜は名前通り一本一キロもします。
独特の甘みと香りが首都圏でも急速に知名度を上げてきました。
打木かぼちゃも甘さと馴染みの良さ朱色の持つ存在感が近頃売れ始まった理由です。
浅田がもっとも得意とする加賀の素材は真夏が意外に穴場かもしれません。
お気軽にお問い合わせください。
夏の加賀料理
夏に強いのが加賀野菜。加賀レンコン、五郎島金時芋、加賀太胡瓜(かがふときゅうり)、打木赤皮甘栗かぼちゃ(うつきあかがわあまぐり)。どれも真夏が旬です。
加賀レンコンは前田家五代藩主綱紀公のころ城内で栽培されていました。
その後改良されて薬用目的から食用目的の美味なレンコンへと発展します。
五郎島芋は昭和初期、薩摩から先人が種芋を導入し改良を重ね今や焼き芋といえばこの金時芋の独壇場です。
太胡瓜は名前通り一本一キロもします。
独特の甘みと香りが首都圏でも急速に知名度を上げてきました。
打木かぼちゃも甘さと馴染みの良さ朱色の持つ存在感が近頃売れ始まった理由です。
浅田がもっとも得意とする加賀の素材は真夏が意外に穴場かもしれません。
お気軽にお問い合わせください。
底曳網漁と秋のさかな
金沢沖の日本海では恒例の底曳網漁が解禁になります。クチボソカレイ、アマエビ、コダイ、ハタハタ、メギス、キス等など初秋の海からの幸がどっさり!
焼いて、煮て、揚げて、茹でて、勿論お刺身もよし。
浅田では毎日航空便で金沢港から届いた底曳網の主役をあらゆる料理方法で召し上がっていただけます。(休漁日もありますのでお気軽にお問い合わせの上ご来店ください)
底曳網の主役が庶民的であればこちらはちょっぴり兄貴分。
初秋の富山湾にはメジマグロが回遊して来ます。さらにあと半年でブリになるガンドも。
一本釣り漁や定置網の違いはあれど美味しさは一緒です。
初秋の海の幸は是非浅田でお楽しみください。
松茸とがんど
雨上がりのアカマツの根元には落葉した松葉がポッコリと膨らんでいる。丁寧にそっとそっと手で落ち葉をどけてやるとそこには「マツタケ」が! マツタケ狩りの名人は我が子にも群生するポイントを教えないとか。 等々マツタケを巡る逸話には事欠かない時節となりました。
『能登はやさしや土までも』
今年はマツタケの表年(おもてどし<あたりどし>)。
加賀料理の故郷石川県能登半島のマツタケは豊富な赤松林とやさしい土壌に特徴があり昔から香りと味で名高いのです。
『がんど』 体長1メートル、体重10キロになればブリ。その一歩手前の若い魚体のものを関東ではワラサ、関西ではメジロ、金沢ではガンドと呼びます。味もプリプリ感もブリと全く同じですが脂の乗りだけが今ひとつ。ということで近頃の健康志向の波にも乗ってガンドの売れ行きは好調とのことです。赤坂、青山店へは空輸で、名古屋店へは特急電車で元気なガンドが入荷しています。
秋の美味しい味は浅田各店でお楽しみください。
図合蟹・香箱蟹・鰤
兼六園の雪吊りを張る作業が始まるころ金沢には「ブリ起こし」と言われる寒冷前線がやって来ます。空が破れんばかりの激しい雷鳴がアラレ、ミゾレを手下にして冬将軍の到来です。この激しい気象現象以降ブリ漁が活発になることから「ブリ起こし」です。ブリが目覚めた後は「蟹」。今年の日本海蟹漁解禁日は十一月六日。金沢ではオス蟹は「図合蟹」、メス蟹は「香箱蟹」と呼ばれます。漁期はそれぞれ一月(箱)三月(図合)までです。
赤坂・青山の浅田には活きたままの蟹が航空便で毎日午後二時頃到着、名古屋浅田には鉄道便で午後三時着。それから調理にかかりますから東京でも名古屋でも産地金沢と同じ状態で蟹をお楽しみ頂けます。日本海の蟹特有の香り、甘み、食感を浅田各店でお楽しみ下さい。
体長1メートル、体重10キロになればブリ。その一歩手前の若い魚体のものを関東ではワラサ、関西ではメジロ、金沢ではガンドと呼びます。味もプリプリ感もブリと全く同じですが脂の乗りだけが今ひとつ。ということで近頃の健康志向の波にも乗ってガンドの売れ行きは好調とのことです。赤坂、青山店へは空輸で、名古屋店へは特急電車で元気なガンドが入荷しています。
お気軽にお問い合わせの程お待ち申し上げます。
寒鰤と蟹
兼六園の雪吊りを張る作業が始まるころ金沢には「ブリ起こし」と言われる寒冷前線がやって来ます。空が破れんばかりの激しい雷鳴がアラレ、ミゾレを手下にして冬将軍の到来です。この激しい気象現象以降ブリ漁が活発になることから「ブリ起こし」です。ブリが目覚めた後は「蟹」。今年の日本海蟹漁解禁日は十一月六日。金沢ではオス蟹は「図合蟹」、メス蟹は「香箱蟹」と呼ばれます。漁期はそれぞれ一月(箱)三月(図合)までです。
赤坂・青山の浅田には活きたままの蟹が航空便で毎日午後二時頃到着、名古屋浅田には鉄道便で午後三時着。それから調理にかかりますから東京でも名古屋でも産地金沢と同じ状態で蟹をお楽しみ頂けます。日本海の蟹特有の香り、甘み、食感を浅田各店でお楽しみ下さい。
お気軽にお問い合わせの程お待ち申し上げます。